ピザ
和食が中心の日本人の食生活は、醤油や、塩が味付けに使われる為、塩分を取り過ぎてしまう傾向があります。
塩分を取り過ぎると、高血圧になりやすく、厚生労働省の調査によりますと、高血圧と推定される日本人は、全国で4,000万人以上にのぼると言われます。
実に、日本人の3人に1人は、高血圧だということです。
反対に、米国、ロシア、ドイツなどでは、糖尿病が上位にのぼります。
和食は、体に良いものが多いのですが、塩分の取り過ぎには気を付けた方が良いということです。
漬物や、味噌汁はおいしいですが、量を少し減らしたり、料理の味付けも、薄味にする方が体の為にも安心です。
あと、塩分は取り過ぎないのが一番なのですが、取ってしまった過剰な塩分を排出しやすくしてくれる食品があるそうです。
それは、トマトです。
トマトに多く含まれる「カリウム」は、塩(ナトリウム)を水とくっつけて、尿として排出させ、血圧を下げる働きがあるそうです。
「カリウム」を多く含む食べ物は、他には、柿や、バナナ、リンゴ、グレープフルーツなどです。
糖分を多く含む果物に多いのが特徴です。
さて、このトマトですが、西洋では、「トマトが赤くなると、医者が青くなる」と言われるほど、健康に良い食べ物とされます。
トマトは、もともとは、南アメリカのアンデス山脈高原地帯原産のナス科トマト属の植物でした。
スペイン人が、16世紀に南アメリカに到達して、トマト、唐辛子、とうもろこし、ジャガイモ、その他の色んな植物の種をヨーロッパに持ち帰りました。
最初、トマトは有毒であるベラドンナに似ていたため、観賞用で、誰も食べる人はいなかったのですが、イタリアの貧困層の人が食べ始め、体に害の無いことが分り、トマト料理がヨーロッパに広がっていきました。
現在、トマトの年間消費量は1億2000万トン以上と言われ、野菜の中でもダントツの世界1位だそうです。
日本でも、大根、じゃがいも、キャベツ、玉ねぎに次いで、第5位の消費量です。
こんなに食べられているトマトの魅力は、なんでしょうか。
トマトは、女性に人気です。
トマトはビタミン類が豊富で、「ビタミンA」や、女性にとってうれしい美白効果や「コラーゲン」の生成を促す効果のある、「ビタミンC」がたっぷり含まれています。
また、「ビタミンH」、「ビタミンP」といった、ビタミンまで含まれています。
「ビタミンH」とは、「ビオチン」のことで、水溶性ビタミンのひとつです。
「ビタミンH」は、「ビタミンC」の合成や、「糖質」、「脂肪」、「タンパク質」の代謝に必要なものです。
主な効果としては、皮膚の健康を保ったり、筋肉痛を和らげたり、白髪になるのを防いだりします。
また、アレルギーの原因となるヒスタミンの元であるヒスチジンを体外に排出する働きもあります。
トマト以外に多く含む食べ物は、鶏のレバーがダントツで、卵黄、大豆、落花生などがあります。
加熱調理していない卵の場合は、卵白に含まれる「アビジン」とよばれる「タンパク質」が、「ビオチン」と結合することにより、吸収が出来なくなり、卵の取りすぎがビオチン不足を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。
「ビタミンP」は、ビタミンに近い働きをするビタミン様物質で、「ヘスペリジン」、「ルチン」、「ケルセチン」等の総称です。
毛細血管を強化する効果があり、細菌が体内に侵入するのを防ぎ、免疫力を高めて他のビタミンの効果を助けます。
トマトを食べると、アレルギーが改善され、花粉症や、ぜんそくになりにくくなるのは、この為です。
この他にも、トマトには、「ビタミンB6」も含まれていて、皮膚病を治す効果もあるそうです。
あと、トマトに含まれる「ペクチン」(水溶性食物繊維)は、お肌にも影響を与える腸内環境を整えてくれます。
これらの作用が総合されて、美しい肌を保つのに威力を発揮するそうです。
それから、トマトで一番注目を浴びている栄養素が、「リコピン」です。
血液をサラサラにして、血流を良くし、脂肪を蓄積する細胞が増えるのを抑制する働きがあります。
個人差はあるでしょうが、太りにくい体質になるわけです。
ただし、トマトを生で食べた場合は、人間の消化機能上、すべての「リコピン」は吸収できないようです。
「リコピン」の吸収量を最大限にするには、トマトを加熱調理すると良いと言われます。
「リコピン」は、熱には強く、壊れたりしないのと、油に溶ける性質があるので、植物性脂肪のオリーブオイルや、動物性脂肪のチーズなどの乳製品と一緒に取ると効果的です。
チーズは、脂肪を燃焼しやすくする「ビタミンB2」が豊富に含まれていて、トマトと一緒に食べることで、吸収が良くなるそうです。
その他にも、チーズには、毒素や、老廃物を排除する「メチオニン」や、しじみ程ではありませんが、「オルニチン」など、アンモニアを尿として排出するのを助けたり、細胞の新陳代謝を向上させ、肝臓を強化する栄養素も含まれます。
「オルニチン」は、パンにも含まれるので、洋食では、パンとチーズが、「オルニチン」を含む食べ物です。
また、チーズに含まれる「カルシウム」は、牛乳から成分を凝縮して発酵させる過程で、体に吸収されやすい形になり、チーズに含まれる「タンパク質」に溶け込んで、牛乳や煮干などの小魚類よりも、体に吸収されやすいというメリットもあります。
小魚に含まれる「カルシウム」が、その30%程度しか吸収することは出来ないのに対して、チーズだと50~60%を体内に吸収することが出来るそうです。
高血圧、骨粗鬆症になるのを防いでくれます。
あと、チーズの脂肪分は、「中鎖脂肪酸」といって、脂肪として蓄積されずエネルギーとして代謝されやすいものだそうです。
対して、「長鎖脂肪酸」は、大豆油、なたね油、牛肉などに含まれており、必要に応じてエネルギー分解されますが、吸収後、体脂肪になりやすいそうです。
「長鎖脂肪酸」にもいろいろありますが、良いものの代表は、オリーブオイルに多く含有する「オレイン酸」です。
「オレイン酸」は、酸化されにくく、血中コレステロールを低下させると言われています。
また、「リノール酸」も、「長鎖脂肪酸」の一つですが、こちらは、過剰摂取を続けると善玉コレステロールが減少し、発ガン促進、アレルギー発症、動脈硬化促進など、あまりよくない作用があることが分ってきました。
チーズをはじめとする乳製品には、この「長鎖脂肪酸」の中でも、「オレイン酸」が多く、「リノール酸」が少ないという特徴があります。
アーモンド
「オレイン酸」は、アーモンドなどのナッツ類にも含まれる成分ですが、アーモンドでは、たくさん取ることが出来ないので、オリーブオイルが地中海地方を中心に重宝されました。
油なので、料理にはなんでも使えます。
イタリアなど地中海地方の人たちは、欧米の人たちと同じように脂肪を多く摂るのですが、心筋梗塞の発症率が低いと言われています。
これは、フランス人がよく飲むワインと似たような役割をオリーブオイルが果たしているように思います。
それから、ピザやパスタに使われる小麦は、「炭水化物」なので、消化されるとブドウ糖(グルコース)になり、血糖値が上がりやすいのですが、トマトと一緒に食べることで、中性脂肪が抑えられ、3割近く血糖値を下げるそうです。
このように、ピザやパスタなどのイタリア料理は、栄養的には、もっとも効率の良い組み合わせのようです。
ピザやパスタが嫌いな方は、日本発祥の洋食ですが、トマトケチャップとご飯を油で炒めたチキンライスや、薄い卵焼きを被せたオムライスなんかも「リコピン」を吸収しやすくしてくれます。
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