サラダ

 

 

日本は、年々、花粉症で、悩む人が増えています。

 

スギ、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤなどの植物の花粉が影響を与えます。

 

花粉症は、空中に飛散している花粉と接触した結果、後天的に免疫を獲得し、その後再び花粉に接触することで、体が過剰な免疫反応を起こすものだとされます。

 

その為、治療には、ヒスタミンや、ロイトコリエンといったアレルギー症状を起こす神経伝達物質を抑える薬が使用されたり、副腎という臓器から分泌されるホルモンと同じ、ステロイドという免疫の働きを弱める薬が使用されます。

 

しかし、免疫とは体が、細菌などの病原菌から守る為に起こしている作用の為、免疫機能を抑えた結果、ちょっとした風邪などの細菌などによっても、肺炎や、気管支ぜんそくなど、別の病気を発症しやすく、危険を伴います。

 

何故、害の少ない花粉に対して、体が過剰な免疫反応を起こすのかということですが、私は、体にとって、決して害は少なくないんだと思います。

 

花粉の大きさは、だいたい30マイクロメートル(0.03ミリ)で、このサイズでは通常、肺や、気管支には入りません。

 

ところが、花粉の周りに付いているオービクルという物質の大きさが、0.5~1.0マイクロメートルで、これが剥がれて、肺や、気管支の奥にまで入り込むそうです。

 

体が健康な時には耐えれても、調子の悪いときには、2倍、3倍の害があるのだと思います。

 

その為、体は、命を守ろうと免疫反応を起こします。

 

体は、自分の味方です。

 

体の反応を、薬で抑えるのではなくて、「自分の体の言うことに、耳を傾けてあげること」が必要なんだと思います。

 

話が変わりますが、肝臓という臓器があります。

 

人間の臓器の中で、心臓に次いで、重要な臓器とされ、重さは1000~1500g程度で、人体の中で最大の臓器です。

 

血液中の有害な物質を分解して、胆汁や、血液に戻し、最終的には、体の外へ排出する役割があります。

 

もう一つは、消化された食物を、蛋白、脂質、炭水化物に変えたり、糖をグリコーゲンとして貯蔵して、必要に応じてブドウ糖に分解して、血液に放出する役割があります。

 

その他にも、様々な働きがあって、その数は少なくとも500以上あるとされます。

 

この肝臓が、弱ってくると、免疫力が低下し、細菌などの病原菌が進入しやすくなり、体は、過剰な免疫反応を起こすことになるようです。

 

日本人の食生活が、欧米型になってきて、肝臓に負担をかける食品が多くなっています。

 

和食に慣れた日本人の体には、負担が大きく、それが、根本的なアレルギーの原因なのかもしれません。

 

テンプラや揚げ物などの「脂質」や、肉、魚などの「タンパク質」、そして、パンや、ご飯などの「炭水化物」の取り過ぎは、肝臓に負担がかかります。

 

ラーメンにチャーハンのセットや、ビールにフライドポテトの組み合わせなど、相乗効果で、負担も倍増です。

 

それに加えて、食後のデザートのケーキや、チョコレート、はちみつなどの「糖分」の取り過ぎが肝臓に負担をかけます。

 

飲み物も、砂糖の入った紅茶や、コーヒー、ジュースなどの甘いものの取り過ぎも良くありません。

 

アルコールの取り過ぎも、もちろん負担をかけます。

 

一つ、一つを見ると、取っていないつもりでも、こういった食べ物の積み重ねで、許容量を超えてしまうことがあるということです。

 

アルコールも、少しならおいしく飲めても、飲みすぎると、肝臓の許容量を超えてしまうので、悪酔いしたり、二日酔いになるわけです。

 

アルコール、コーヒー、チョコレート、どれも、人生に無かったら味気ないものになってしまう、おいしい食品です。

 

だから、量を加減して、許容量の範囲内で、楽しんでいけば、長く続けていけるように思います。

 

話が脱線しましたが、肝臓に負担をかけない食べ物と言えば、野菜や、海藻が挙げられます。

 

飲み物でしたら、お茶になります。

 

そして、お茶の中では、緑茶がおすすめです。

 

緑茶の乾燥葉100gの中に、約250mgの「ビタミンC」が含まれているそうです。

 

ウーロン茶では約50mg、紅茶では、ほとんど含まれていないそうです。

 

レモン一個分の「ビタミンC」が、約50mgなので、お茶は、効率よく「ビタミンC」を取ることが出来る飲み物だと言えます。

 

また、お茶に含まれる「カテキン」は、肝臓でつくられる胆汁酸の排泄を促進し、血中のコレステロールの増加を防ぐ働きもあるそうです。

 

ただし、肝臓に負担をかけない野菜や、お茶ですが、野菜や、果物だけしか取らないような極端なダイエットをされている方は、脂肪肝になったりするそうです。

 

それは、卵や、大豆は、「タンパク質」を多く含むので、太ると思って食べなかったりするからかもしれません。

 

卵や、大豆には、「コリン」という肝臓から不要な脂肪分を排出する栄養素を含んでいるので、取り過ぎはもちろんいけませんが、多少は必要だということです。

 

大豆の中でも、納豆は、「ビタミンB群」が豊富に含まれていて、肝臓の負担を軽減してくれます。

 

ビタミンB群には、(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)の8種類のビタミンがあり、お互いに協力関係をもちながら、様々な物質代謝に関わっている為、ビタミンB群と一まとめにされる栄養成分です。

 

ダイエットをされている方は、高タンパクですが、低カロリーの納豆が良いかもしれません。

 

男性に不足しがちな野菜や、海藻は、「ビタミン」、「ミネラル」を豊富に含んでいて、肝臓の代謝を助けます。

 

野菜に含まれる「ビタミンC」は、熱に弱く、加熱すると、3割以下に減ってしまうそうなので、生野菜のサラダが効率が良いかもしれません。

 

ニンジン、レタス、ほうれん草などに含まれる「β-カロチン」は、油と一緒に取ることで、吸収率があがります。

 

生野菜のサラダにかけるドレッシングや、マヨネーズは、油なので、「β-カロチン」を取るには適しています。

 

しかし、油は、肝臓には負担がかかるので、量は少し、加減した方が良いと思います。

 

 

生野菜のサラダの定番と言えば、キャベツとレタスがあります。

 

レタスの95%は、水分で、シャキシャキした歯ごたえは、新鮮でおいしいのですが、栄養面では、キャベツの方が少しだけ上のようです。

 

「β-カロチン」だけは、レタスの方が、キャベツより多く含んでいるので、好みで食べられると良いと思います。

 

キャベツは、「ビタミンC」や、「ビタミンK」を多く含んでいます。

 

「ビタミンK」は、血液を凝固したり、骨の形成に役立ちます。

 

あと、「ビタミンU」というキャベツ特有の栄養素もあります。

 

別名をキャベジンと言い、細胞分裂を促進する働き、タンパク質の生成を活発にする働き、壊れた組織を治す働きなどがあります。

 

胃粘膜を保護し、潰瘍の予防や、治療に効果がある為、胃腸薬の成分にも使用されています。

 

とんかつ屋さんで、キャベツの千切りなどが付いてくるのは、油で、胃がもたれないようにする意味があるようです。

 

それと、キャベツには「ジアスターゼ」という栄養素も、豊富です。

 

「ジアスターゼ」は、でんぷんを分解する酵素で、消化を助けるので、胃酸過多、胃もたれや、胸やけなどに効果があるそうです。

 

キャベツ以外では、大根にも多く含まれています。

 

その他にも、取り過ぎた塩分を排出してくれる「カリウム」や、「葉酸」(ビタミンB9)も多く含みます。

 

「葉酸」は、水溶性のビタミンB群の一種です。

 

DNAや、RNAなどの核酸を形成するのに必要な栄養素で、細胞の生産や再生、赤血球の造血に関係しています。

 

貧血気味の方は、「葉酸」の不足かもしれません。

 

「葉酸」は、1941年にほうれん草の葉から発見され、ラテン語で「葉」を意味する「folium」から、「folic Acid」(葉酸)と名付けられました。

 

ほうれん草や、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

 

ただし、「葉酸」は、熱に弱い為、調理すると、その栄養のほとんどが壊れてしまいます。

 

その為、生野菜のサラダは、不足しがちな「葉酸」を吸収するのに効率の良い取り方だというわけです。

 

「銅」、「亜鉛」、「セレン」、「ビタミンA」、「ビタミンC」、「ビタミンE」、「ビタミンB6、「葉酸」が1つでも欠乏したら、体の免疫機能は低下すると言われています。

 

野菜を取って、欠乏しないようにしたいものです。

 

 

肝臓がある程度健康な人は、カレーなども、たまには良いかもしれません。

 

ただし、肝臓の悪い人は、ルーに油が多いのと、スパイスが刺激物なので、病状を悪化させる可能性が高いので、注意が必要です。

 

特に、カツカレーなどは、男性が好む食べ物ですが、健康的には、あまり良くない組み合わせのようです。

 

やはり、定番の、じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどの野菜の入ったカレーがおすすめです。

 

じゃがいもに含まれる「ビタミンC」は、デンプンに守られていて、熱にも壊されません。

 

にんじんに含まれる「β-カロチン」は、油と一緒に取ることで吸収されやすく、カレーとの相性がとても良い野菜です。

 

玉ねぎは、ビタミン類の含有量が少ない野菜ですが、その代わりに「アリシン」(硫化アリル)という栄養成分を多く含みます。

 

「アリシン」は、「ビタミンB1」の吸収や働きを高めるので、体の新陳代謝を活発にして、疲労回復を早める効能があります。

 

「ビタミンB1」は、風邪薬にも使用されています。

 

「ビタミンB1」を多く含む食べ物は、豚肉、うなぎ、大豆製品などです。

 

風邪の時に、玉ねぎ、ニラ、にんにく、らっきょう、ネギなどのユリ科の野菜が良いと言われるのは、この「ビタミンB1」の吸収を助ける「アリシン」を多く含むからです。

 

また、風邪の引き始めの時に、無性にカレーが食べたくなることがあります。

 

これは、体が、体に進入しようとする細菌や、ウィルスと戦っていて、加勢を望んでいるということです。

 

細菌や、ウィルスとの戦いに勝てば、風邪は引きません。

 

負けると風邪になります。

 

「ビタミンB1」は、糖質を分解する酵素を助け、エネルギーに変えます。

 

エネルギーが、細胞を元気にして、細菌や、ウィルスを進入させないようにするわけです。

 

豆腐に「アリシン」を含むネギを乗せるのは、「ビタミンB1」を吸収しやすくするのに、とても良い組み合わせです。

 

また、風邪には、「ビタミンC」も効果があると言われます。

 

「ビタミンC」は、細胞と細胞を結びつけているコラーゲンと呼ばれる「タンパク質」の生成を助け、喉や鼻の粘膜を強くして、細菌や、ウィルスの侵入を防ぐ働きがあるそうです。

 

また、「ビタミンC」の血中濃度が高い人ほど、白血球が活性化して元気だと言われます。

 

白血球は、体内に進入した細菌や、ウィルスと直接戦う兵隊みたいなものです。

 

つまり、「ビタミンC」を多く含む、野菜や、果物を取る人は、風邪にかかりにくいということです。

 

肌が丈夫になり、男性に多い水虫などの病気にも、かかりにくくなり、免疫力、抵抗力が上がります。

 

カレーの話に戻りますが、カレーの後に、サラダを食べるのも、とても良い組み合わせです。

 

カレーに入っている野菜には、「葉酸」は含まれていないので、サラダを一緒に食べると、それを補え、「ビタミンC」も、多く取ることが出来ます。

 

それから、カレーの辛さは、スパイスによるものなので、意外に塩分は少ないそうです。

 

スパイスに使われる唐辛子の辛味成分「カプサイシン」は、脂肪を燃焼させ、消化吸収を促進します。

 

ターメリックに含まれる「クルクミン」は、肝臓の機能を強くして、脂肪を分解してくれます。

 

このように、カレーには、いろいろな良い栄養成分が含まれています。

 

週に一度ぐらいはメニューに入れてみるのも良いかもしれません。

 

カレーが嫌いな方は、しじみに含まれる「オルニチン」も、アンモニアを尿として排出し、肝臓の負担を減らすそうです。

 

あと、ホタテや、しじみに多く含まれる「アラニン」は、肝臓の分解能力を高めるそうです。

 

その他にも、牡蠣に多く含まれる「タウリン」は、脂質の消化、吸収を助けて、肝臓の負担を減らすようです。

 

ただし、ホタテも、しじみも、牡蠣も、鉄分を多く含むので、肝臓が悪化している方には、鉄分の摂取が肝臓には悪く、注意が必要です。

 

貧血の方は、反対に取った方が良い食べ物です。

 

同じ食べ物でも、その時の体の状態によって、良くなったり、悪くなったりするので、判断が難しいものです。

 

そういった意味で、いろいろな健康食品はありますが、まずは、積極的に野菜をとって、肝臓の負担を軽くしてあげることが、健康の秘訣だと思います。

 

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